
NovelAIで画像を生成していて過去の画像を見返したとき、プロンプトが思い出せなかったり、あるいは前に作った画像のプロンプトが消えていて確認する方法が分からない、という場面によく遭遇します。
本記事では、NovelAI v4.5における「解析」の全体像を解説します。メタデータがある場合の正確な読み取り手順から、メタデータが消えてしまった画像への対処法まで、NovelAI歴9,000時間以上の経験をもとに実践的にまとめました。
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NovelAIにおける「解析」とは?
NovelAIの文脈における「解析」には、大きく2つの意味があります。
ひとつは「自分が生成した画像から、当時の設定を読み取ること」。もうひとつは「他の人の画像や、メタデータが失われた画像から、プロンプトを推定すること」です。
この2つは使うべき手順がまったく異なります。どちらのケースかによって取るべき行動が変わるため、まず自分が直面している状況を確認してください。
NovelAI生成画像のデータ構造を理解する
解析の手順を説明する前に、NovelAI画像のデータ構造について簡単に触れておきます。仕組みを理解しておくと、なぜ解析できる場合とできない場合があるのかが分かりやすくなります。
メタデータとは何か
NovelAIで生成したPNG画像には、「メタデータ」と呼ばれる生成情報が自動で埋め込まれます。PNG形式は「チャンク」と呼ばれる単位でデータを管理しており、そのうちの「tEXtチャンク(PNG仕様における正式名称)」に生成情報がテキストとして保存されます。
含まれる情報は以下のとおりです。
- ポジティブプロンプト
- ネガティブプロンプト
- キャラクタープロンプト(v4.5のマルチキャラ設定)
- 使用モデル
- Sampler・Steps・CFG Scale・シード値・画像サイズ
- v4.5の強調構文の数値(1.5::smile:: など)
v4.5では「数値::タグ::」という形式の強調構文が使えます。この数値もメタデータに正確に記録されるため、表情の微妙なニュアンスまで含めて後から完全に再現することが可能です。
ステルスメタデータという仕組み
NovelAIには、tEXtチャンクとは別に「ステルスメタデータ」と呼ばれる独自の仕組みがあります。これはNovelAI特有の技術で、一般的な画像生成AIには見られない独自の仕組みです。
一般的なPNG画像のAlpha値(透明度)は255に設定されています。NovelAIはこのAlpha値を254と255で微妙に変化させ、その1ビットずつの組み合わせにプロンプト情報をエンコードして埋め込んでいます(stealth_pngcompと呼ばれます)。
この仕組みのおかげで、SNSアップロードでtEXtチャンクが削除されても、PNG形式が保たれていればAlphaチャンネルの情報から設定を復元できる可能性があります。ただしJPEGなどAlphaチャンネルのない形式に変換すると、ステルスメタデータも失われてしまいます。
つまりNovelAIの生成画像は、通常のメタデータとステルスメタデータの2重構造でプロンプトを保持しているということです。
方法1:NovelAI公式機能でメタデータを読み取る
最も確実で手軽な方法は、NovelAI公式の画像生成画面から直接読み込むことです。PNG形式で保存した元画像があれば、数秒で当時の設定をすべて呼び出せます。
手順
手順1:画像を読み込む
NovelAIの画像生成画面を開きます。「参照用画像を追加(任意)」の横にあるアップロードアイコンをクリックするか、PNG画像を画面に直接ドラッグ&ドロップします。
手順2:インポート設定を確認する
画像を読み込むと、下の画面のようにインポート設定のダイアログが表示されます。インポートしたい要素にチェックを入れてから「メタデータをインポート」ボタンを押してください。

チェック項目の内容は以下のとおりです。
- プロンプト
- 除外したい要素(ネガティブプロンプト)
- 設定(Sampler・Steps・CFG Scaleなど)
- シード値
※キャラクター設定も引き継ぎたい場合は「キャラクターをインポート」にもチェックを入れます。
手順3:設定が読み込まれたことを確認する
チェックした項目のインポートが完了すると、チェックした各種設定がすべて自動入力されます。そのままの状態で生成すると、元の画像に非常に近い結果が得られます。
ちなみに、シード値まで完全に一致させるとインポートした画像とほぼ同じ画像を再現できます。
また、「同じ構図・雰囲気を保ちながら細部だけ変えたい」場合は、シード値を固定したままプロンプトだけ微調整するという使い方も有効です。
メタデータが消えてしまうケース
メタデータはPNGファイルに記録されている情報なので、以下の操作を行うと消えてしまいます。あらかじめ把握しておくことで、大切なプロンプトを失うリスクを減らせます。
SNSへのアップロード
X(旧Twitter)やInstagramは、アップロード時にプライバシー保護の目的でメタデータを自動削除します。一方、pixivはメタデータが削除されずに残るケースが多いため、自分の画像をpixivに投稿する際はプロンプトが見える状態になっていることに注意が必要です。
JPEG変換
画像をJPEGに変換するとアルファチャンネルが消えるため、tEXtチャンクのメタデータだけでなく、ステルスメタデータも同時に失われます。プロンプト管理の目的でメタデータを活用するなら、PNG形式のまま保存することをおすすめします。
画像編集ソフトでの再保存
ペイントソフトや画像編集アプリで開いて保存し直すと、メタデータが上書き・削除される場合があります。いつかメタデータを読み取る可能性がある画像は、加工前のオリジナルPNGは必ずバックアップとして別に保存しておきましょう。
方法2:メタデータビューアーで確認する
NovelAI公式画面を使わずに、ブラウザ上でメタデータを素早く確認したい場合は、専用のビューアーツールが便利です。
NovelAI公式が提供しているメタデータビューアー(https://novelai.net/inspect)では、PNG画像をアップロードするだけでプロンプトやシード値などの情報を確認できます。公式ツールなので安心して利用できます。
サードパーティ製のツールも存在しますが、信頼性の確認が必要です。個人情報や重要な画像をアップロードする際は、サービスのプライバシーポリシーを確認してから利用してください。利用規約が不明確なツールへのアップロードは避けるのが無難です。
方法3:メタデータがない画像からプロンプトを推定する
すでに加工してしまった画像や、JPEG変換済みの画像など、メタデータが残っていないケースでは、NovelAI画面から設定を読み取ることはできません。この場合の選択肢を解説します。
手動でプロンプトを組み立てる
画像を観察しながら、各要素をタグとして書き起こす方法です。v4.5では以下の順序でプロンプトを組み立てると、AIが意図を解釈しやすくなります。
品質タグ → 画風 → キャラクター(人数・性別) → 外見の特徴(髪・目・服装) → 表情・ポーズ → 構図・アングル → 背景
たとえば以下のような形です。
very aesthetic, masterpiece, anime style,
1girl, red hair, blue eyes, school uniform,
smile, peace sign,
upper body, looking at viewer,
classroom, soft lighting
手動解析は時間がかかりますが、長いことNovelAIを使い続けてきた経験から言うと、この作業を繰り返すことでプロンプトへの理解が格段に深まります。どのタグがどう画像に影響するのかを、体感として掴む機会になるためです。
ただし、シード値や強調構文の数値(1.5::smile:: など)は元の画像を見ても分かりません。手動解析で再現できるのはあくまで「雰囲気的に近い画像」であり、完全な再現には限界があります。
v4.5の強調構文を使って精度を上げる
手動解析後、特定の要素をより強く出したい場合はv4.5の強調構文が有効です。
数値::タグ名:: という形式で、数値が大きいほどそのタグの影響が強くなります。たとえば 2.0::red hair:: とすると、赤い髪をより強調して出せます。逆に -1.0::hat:: とすると、帽子を出にくくする方向に働きます。
この強調構文を手動解析と組み合わせることで、メタデータがない状態でも元の画像に近いニュアンスを再現しやすくなります。
AIを使ってプロンプトを推定する
Claude・ChatGPT・Geminiなどの言語AIに画像を見せて、プロンプトを推定してもらう方法です。ただしそのままでは、NovelAI特有のタグ体系やv4.5の強調構文が正確に再現されないことがほとんどです。
「NovelAI v4.5向けに、タグ形式でカンマ区切りで出力してください。強調したい要素は 数値::タグ:: の形式で表現してください」といった指示を加えると精度が上がります。ただし、どういう構造でAIに聞けばよいかを自分で試行錯誤する手間は避けられません。
ただし、どういう構造でAIに聞けばよいかを自分で試行錯誤する手間は避けられません。この試行錯誤を体系化し、一発でプロンプトを出せるようにしたものが「画像再現プロンプト生成フレームワーク【NovelAIメイン】」です。
プロンプト管理ツールとしてのメタデータ活用法
メタデータは「過去の設定を確認するためだけ」のものではありません。うまく活用すると、プロンプト管理の効率が大幅に上がります。
画像ファイル=プロンプト管理ファイルとして使う
気に入った画像のPNGファイルをそのまま保存しておけば、設定ファイルとして機能します。「この構図に近いものを作りたい」「この画風でポーズだけ変えたい」という場面で、PNG画像をドラッグ&ドロップ(インポート)するだけで設定を即座に呼び出せます。
また、例えば複数の「ベース画像」を目的別(画風別など)にフォルダで管理しておくと、プロンプトをゼロから組み立てる手間が大きく減ります。
シード値を活用したバリエーション生成
メタデータを読み込んだあと、シード値だけを変えてガチャを回すという使い方も有効です。同じプロンプト・同じ設定を保ちながら、構図や表情が微妙に異なるバリエーションを連続して生成できます。
逆に「シード値を固定したままCFG Scaleだけ変える」という微調整も、メタデータがあってこそスムーズにできます。
設定の変化を記録する
長いこと使い続けてきた中で感じるのは、「あのときの設定が良かったのに再現できない」という失敗が最も多いということです。PNG形式でこまめにダウンロードしてメタデータを残す習慣をつけるだけで、この問題はほぼ解消できます。
解析の注意点
著作権と倫理的な配慮
他の人が生成した画像のプロンプトを解析すること自体は技術的に可能ですが、そのプロンプトを無断で商業利用したり、解析結果を公開したりする際は慎重な判断が必要です。
プロンプトが著作物として保護されるかどうかは現時点でも議論が続いていますが、他者の創意工夫を無断で利用することはコミュニティへの信頼を損ないます。解析はあくまで学習や参考の範囲にとどめ、自分のオリジナルプロンプトを育てていくことをおすすめします。
完全な再現はできないケースがある
メタデータが完全に残っていても、同じ画像を100%再現できるとは限りません。モデルのバージョンアップやサーバー側の変更によって、同じプロンプト・同じシード値でも結果が変わることがあります。
「完全な再現」を目指すより、メタデータを出発点として微調整していくアプローチの方が、実際の制作では現実的です。
よくある質問
Q:メタデータは他の人から見られる?
A:PNG形式のまま公開した場合、そのファイルを持っている人なら誰でも確認できます。暗号化はされていません。プロンプトを見られたくない場合は、JPEGへ変換するか、メタデータ削除ツールを利用してください。ただし削除すると自分でも再現できなくなるため、元のPNGは必ずバックアップとして保存しておきましょう。
Q:v3の画像のプロンプトをv4.5で使える?
A:使えますが、完全に同じ出力とはなりません。v3とv4.5では生成ロジックが異なり、品質タグの仕様も違います。v3は best quality, amazing quality 中心、v4.5は very aesthetic, location などが推奨されています。v3の画像を再現したい場合はモデルをv3に戻すことをおすすめします。
※なお、筆者のプロンプト辞典にはv3時代に制作したものも含まれていますが、v4.5環境でもほとんど問題なく動作することを確認しています。
Q:シード値って何?固定しないといけない?
A:シード値は画像生成の「乱数の種」です。同じプロンプト・同じ設定でも、シード値が違えば異なる画像が生成されます。ガチャを回したい場合はシード値を固定しない方がいいです。逆に「同じ構図を保ちながらプロンプトだけ変えたい」場合はシード値を固定するのが有効です。
Q:メタデータのない画像から完全に元のプロンプトを復元できる?
A:現時点ではできません。シード値や強調構文の数値は画像の見た目からは分からないため、手動解析では「近い雰囲気の画像を再現する」ことが限界です。手動が面倒な場合は「フレームワーク」を活用してみてください。完全な再現が必要な場合は、元のPNGファイルを保存しておくことが唯一の方法です。
まとめ

NovelAI v4.5の生成画像には、プロンプトや各種設定がメタデータとして自動記録されます。PNG形式で保存しておけば、後から設定を丸ごと呼び出せます。
まずは手元のお気に入りのPNG画像を、NovelAIの生成画面にドラッグ&ドロップ(インポート)してみてください。メタデータが残っていれば、当時の設定がそのまま確認できます。
メタデータが消えてしまった画像から、NovelAIのプロンプトを組み立てたい場合は「画像再現プロンプト生成フレームワーク【NovelAIメイン】」がお役に立てるかもしれません。
画像をAIに読み込ませると、おおよそのプロンプトを出力してくれる構造になっています。100%の再現精度ではありませんが、ゼロから手動で組み立てるよりも大幅に手間を削減できます。
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